LPを作ったのに問い合わせが増えない。制作会社に見積もりを取ったが料金差が5倍あって判断できない。広告運用は自社で継続したいが、制作会社が広告まで抱え込む提案をしてくる。こうした悩みを持つ中小企業のマーケティング担当者に向けて、この記事ではLP制作会社を8タイプに分類し、料金・強み・向く発注シーンを徹底解説する。読み終えたときには、自社のCVR目標と広告予算に合った候補を2〜3社に絞り込み、RFP(提案依頼書)に落とし込むまでの手順が固まる。

この記事の結論

LP制作会社選びは「デザインの見た目」で決めない。判定軸は4つある。第一に自社のマーケ体制と広告運用の分業設計、第二にCVR改善のためのA/Bテスト実施体制、第三に予算とROI(初回LTVでの回収可否)、第四に制作後の保守と改善サポートの範囲である。単発ページ制作なら30〜80万円のクラウドソーシング活用型で成果が出るケースも多いが、月次で数百万円の広告費を投じるプロダクトなら、CVR改善コンサル型やグロース伴走型を選ぶ方が総合ROIは高い。まずは自社の目標CPA・月間広告費・改善サイクルの3点を整理してから、8タイプのなかで最も適合する2〜3社に絞りたい。

LP制作会社の8タイプと向き不向き

タイプ料金レンジ強み向く発注者
大手Web制作会社150〜500万円ブランディング・大規模プロジェクト企業ブランド重視・上場企業
中堅制作特化型60〜150万円デザイン品質と工程管理の両立50〜300名規模の企業
CVR改善コンサル型80〜300万円+成果報酬ヒートマップ分析・A/Bテスト広告費月100万円超のプロダクト
広告運用一体型50〜150万円+運用手数料制作と広告配信の連携広告運用も外注したい
グロース伴走型月額30〜80万円継続的な改善・LP複数本運用スタートアップ・SaaS
デザインスタジオ型40〜120万円ビジュアル訴求・世界観構築D2C・ブランド商品
クラウドソーシング型10〜50万円コスト最優先・スピード予算100万円未満の初回検証
フリーランス・少数精鋭30〜80万円担当者直取引・意思決定速い細かい調整を頻繁に行いたい

8タイプの区分は「制作単価」と「改善サポート範囲」を軸に整理している。大手Web制作会社は数百万円規模の大型プロジェクトが得意で、ブランディング設計から入るためLP単体としては割高になる。CVR改善コンサル型は初期制作費に加えて成果報酬や月額改善費用が乗るため総額は高いが、月100万円以上の広告費を投じるプロダクトなら投資対効果は最も高い。クラウドソーシング型は10万円台から発注可能な反面、ディレクションと戦略設計は自社で担う前提となる。自社のマーケ体制で「戦略」「制作」「運用」「改善」のどこを内製し、どこを外注するかを整理してから候補タイプを絞りたい。

主要8タイプの料金と成果指標

タイプ初期費用目安納期成果指標の設定例
大手Web制作会社200万円〜3〜4か月ブランド想起率・PV数
中堅制作特化型80万円〜6〜10週間CVR2〜3%・問い合わせ数
CVR改善コンサル型120万円〜8〜12週間CPA改善率・ROAS向上目標
広告運用一体型60万円〜4〜6週間広告費対売上比率
グロース伴走型月額50万円〜初回4週間+継続月次CVR改善率
デザインスタジオ型50万円〜6〜8週間滞在時間・SNSシェア
クラウドソーシング型15万円〜2〜4週間納品・初回CVR2%
フリーランス40万円〜3〜5週間担当者直の柔軟対応

料金は2026年7月時点の一般的な相場感で、実際の見積は業種・素材有無・原稿有無で変動する。CVR改善コンサル型は初期費用が高い一方、A/Bテスト設計と週次改善レポートが含まれ、広告費に対する売上リターンで見ると3か月で投資回収するケースが多い。グロース伴走型は月額固定でLP複数本の運用と改善が回るため、SaaSやサブスク商材のように継続的なユーザー獲得を必要とするプロダクトと相性が良い。クラウドソーシング型は初期費用を10万円台に抑えられる反面、CVR改善やA/Bテストは自社担当者が回す前提となり、制作後の改善リソースを社内に確保できるかがポイントとなる。

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LP制作会社と自社マーケ担当の役割分担

工程制作会社が担う自社担当が担う
ターゲット設計他社事例と競合分析自社商材の独自価値提示
訴求文案キャッチコピー・構成案製品スペック・実績データ提供
デザイン制作ワイヤー〜ビジュアル制作ブランドトーン確認・素材承認
広告連携タグ実装・計測環境構築広告費配分・キャンペーン戦略
改善サイクルA/Bテスト設計と実施改善優先度と意思決定

LP制作を外注しても、自社担当者の役割はゼロにならない。特に「独自価値の言語化」「素材承認」「改善優先度の意思決定」は制作会社に丸投げできない領域である。丸投げ発注で成果が出ないパターンの多くは、この3工程を制作会社任せにしてしまい、汎用的な訴求と平凡なCVRで終わる。役割分担を明確にするコツは、キックオフ時に「制作会社に判断を委ねる領域」と「自社が最終判断する領域」を1枚の表にまとめておくことだ。制作会社側も判断範囲が明確になれば提案の質と速度が上がる。

発注手順の4ステップ

ステップ1:目的と成果指標の言語化——LP公開後3か月時点で達成したいCVR、獲得件数、目標CPAを数値で決める。加えて「なぜLPが必要か」「既存の集客導線はどうなっているか」を1枚の資料にまとめる。ここが曖昧だと制作会社ごとに提案がバラつき、比較評価ができない。

ステップ2:3〜4社への相見積とRFP提出——8タイプから自社に近い2タイプを選び、そこから3〜4社に相見積を依頼する。RFPには目的・ターゲット・素材有無・納期・想定広告費を明記する。口頭説明だけで見積を取ると各社の想定条件がバラバラで比較不能になる。

ステップ3:提案内容の3軸評価——各社の提案を「戦略の深さ」「制作品質」「改善サポート」の3軸で採点する。デザインの好みだけで選ぶと、公開後の改善サイクルが回らないリスクがある。担当者との相性やレスポンス速度も評価に含めたい。

ステップ4:発注と改善サイクルの明文化——契約時に月次レポートの内容と、A/Bテストの実施回数を書面で握る。公開後1か月で初回レビュー、3か月で改善方針の見直しを予定に組み込み、成果が出ないまま半年経過するリスクを回避する。

失敗パターン3つと回避策

失敗1:デザインの好みで発注先を決める——ポートフォリオの見た目だけで選ぶと、CVR改善の実績が薄い会社に発注してしまう。回避策は、候補各社に「過去のLPでCVRを何%から何%まで改善したか」の実データを求めることだ。数値を出せない会社は改善サイクルを回した経験が乏しい可能性が高い。

失敗2:広告運用を制作会社に一括委託する——制作会社が広告運用まで抱えると、公開後の改善が制作会社の稼働に依存する。回避策は、制作と広告運用を別会社に発注するか、少なくとも広告アカウントは自社保有としマーケの意思決定権を残すことだ。抱え込み型に切り替えると解約時のコストが跳ね上がる。

失敗3:公開後の改善サイクルを想定しない——制作費だけを予算化し、公開後の改善費を確保していないケースが多い。回避策は、制作費と同額程度の改善費を6か月分で見込んでおくことだ。LPは1回作って終わりではなく、月次でヒートマップ分析とA/Bテストを回して初めて目標CVRに到達する事例が多い。

よくある質問

Q. LP1本の相場はどのくらいですか?

A. クラウドソーシング型なら10〜30万円、中堅制作会社で50〜150万円、CVR改善コンサル型で120〜300万円が一般的な相場となる。原稿とビジュアル素材を自社で用意できる場合は下限に近づき、戦略設計から任せる場合は上限に近づく。予算100万円以下ならフリーランスかクラウドソーシング、200万円以上あればコンサル型を検討したい。

Q. 制作から公開までどのくらいかかりますか?

A. クラウドソーシング型で2〜4週間、中堅制作会社で6〜10週間、CVR改善コンサル型で8〜12週間が目安となる。素材が揃っていて原稿決定済みなら短期化でき、逆にターゲット設計と競合分析から始める場合は3か月程度見込むと余裕がある。急ぎ案件はテンプレート活用型で最短10日納品も可能だ。

Q. 制作会社に広告運用も任せるべきですか?

A. 自社マーケ担当が広告運用未経験なら、当面は一体型に任せる選択肢もある。ただし広告アカウントの所有権と運用ノウハウは自社に蓄積したいため、契約段階で「アカウントは自社保有」「月次レポートで運用ロジックを共有」の2点を条件化するとよい。将来の内製化オプションを残しておきたい。

Q. CVRはどのくらい改善できますか?

A. 業種と競合状況で幅があるが、初回リリース後の3か月改善サイクルで平均CVRが1.5〜2倍に伸びる事例が多い。BtoBサービスなら問い合わせCVR2〜4%、EC・D2Cなら購入CVR1〜3%が改善後の目標値になる。改善は一度で終わらず、月次のA/Bテストを最低6か月継続することで安定した数値に到達する。

Q. 制作後の修正はどこまで対応してもらえますか?

A. 契約により異なるが、多くの中堅制作会社は納品後1か月以内の軽微修正を無償で対応する。テキスト差替やボタン色変更は無償、レイアウト大幅変更やセクション追加は有償という切り分けが一般的だ。改善サイクルを継続的に回すなら、月額保守契約(月10〜30万円)を締結するのが現実的である。